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とやの潟ウィンターキッチン2020を開催して      

鳥屋野潟の食の魅力を伝え後世に受けついでいこうと、2016年の初開催から今年で5回目の開催となった、「とやの潟ウィンターキッチン2020」。 今年は2月12日にスタートし、先日の3月15日をもちまして今年の開催が無事終了しました。

ボラのハーブフライ(提供店舗 : FARM TABLE SUZU)

鳥屋野潟の鯉やボラ、伝統野菜の女池菜を使ったオリジナルメニューが地域の飲食店で提供される同イベント。
いくとぴあ食花での漁師飯の振る舞いも開催し、たくさんの方々にお越しいただきました。
毎年楽しみにしてくれる方や、鳥屋野潟の食に興味を持ってくださる方が少しずつ増えてきているのをとても嬉しく思っています。




ローカルプロジェクトを継続させ、地域の文化として根付かせていくために”

ただ、その反面で、漁師さんや農家さんは少しずつ歳を重ね、担い手の確保も難しさを増してきています。
そんな中でも、とやの潟ウィンターキッチンのようなローカルプロジェクトを地域に根付かせ、文化として根付かせていくためには、どんなに規模が小さくてもまずは継続していくことが大切です。地域の文化は、関わる人たちみんなにとって無理なく自然な形で行われるようになって、初めて根付いていくのだと思います。

今年の開催にあたり、とやの潟ウィンターキッチンを文化として育てていくために、いかに継続可能な形で開催するかが課題となってきていました。
また、世界的にも人々の自然環境への向き合い方が見直され、サスティナビリティの重要性が高まっているなかで、自然環境への負荷も出来る限り抑えながら開催していくことにしました。

そこで、関わる人たちや環境に過度な負荷がかからず、地域の中でモノやコト、お金が無理なく循環していく様な仕組みを整えていくために、「持続可能」をコンセプトに掲げ、4つの方策に取り組むことにしました。


①助成金には頼らない
第1回目から4回目の開催までは、新潟市の助成金を活用しながら開催していました。しかし、助成金ありきのままだと、それがなくなった途端にプロジェクトが立ち行かなくなります。また、助成金によって開催規模を大きくできる反面、それに伴う事務作業の増加など、運営側にも負担がありました。そこで、助成金に頼らずとも継続的に開催していける仕組みや体制づくりを、価値観の共有できる地域のメンバーと共に模索していくことにしました

②環境負荷への配慮
鯉の振る舞いのイベントの際には無駄なゴミを出さない為に、箸やお椀はリユース食器を活用しました。


③フードロス削減
漁師さんのごはんの振る舞いのイベントの会場となったのは、いくとぴあ食花キラキラマーケット。
キラキラマーケットには、入荷から時間がたち、まだ食べれるのに売れ残りとして扱われてしまう食材が多いとのこと。そこで、フードロスを削減するために、これらの売れ残りの食材を使って振る舞いを行いました。


④決まりごとを、最小限にする。
今までは運営にあたっての決まりのようなものを、主催者である私たちが定め、参加店舗の方々にもその枠組みに沿って参加していただく様にお願いをしていました。ですが、そういった決まりを極力少なくして、今回は参加店舗などの方々にそれぞれの無理のないペースで参加していただける様にしたいと考えました。


こういった取り組みによって、ローカルプロジェクトを継続する上での大切なポイントが見えてきました。次回の記事では、「持続可能」を目指す取り組みを通し、見えてきたことをお伝えしようと思います。(次号の記事はこちらから)

ライター
(株)U・STYLE ディレクター
松浦裕馬