ゴミを拾って遊ぶ。遊びながら、環境を観る。
鳥屋野潟ゴミ拾いカヤック梅雨入り前のある朝。
「遊びながら、鳥屋野潟の環境にも目を向けてみよう」と、 鳥屋野潟公園の浅野さんと一緒にトングと網と袋を抱えて、ゴミ拾いカヤックに出てみました。
陸上から見ると空の青さも映える穏やかな湖面。
漕ぎ出すと、都市部の中心とは思えない雄大な鳥屋野潟を感じられたり、近くで魚が跳ねたり、水上の視点から新潟の街が見られたり、少し非日常な風景や体験を楽しめます。
さて、今回の目的のひとつは「鳥屋野潟のゴミ拾い」。
岸辺に目を向けてみると、小さなものから大きなものまでたくさんのゴミが流れ着いていました。鳥屋野潟は水面標高-2.5mと低く、つながっている水路に落ちたゴミは鳥屋野潟に流れ着きます。
ペットボトルや発泡スチロール、野球ボールやゴルフボール、ゴミ袋いっぱいに入った家庭用ゴミまで。 「これは意図的に捨てないと、捨てられないよな..」というゴミもありました。
今回は小さなゴミを中心に拾うことにしたのですが、小さなゴミは手のつけられていない葦や野バラに絡まってなかなかキャッチすることができません。ゴミを捨てないことだけでなく、周辺の自然環境をきちんと整えていることも、環境整備には大切なことなのですね。
約2時間半水上にいて、とれたゴミはこれくらい。思うようには捗らないものです。
陸に戻り、ゴミを分別し、分析してみます。
水を大切にするメーカーの商品もたくさんありますし、環境にやさしいというコンセプトの商品もたくさん。ブランドや商品のコンセプトを伝えることは難しいものだと思いつつ、実際に商品を購入し使う、消費者の意識が育つことが非常に大切なのだと考えさせられます。
環境にやさしい商品を生み出すことも良いけれど、それらを人々がどう使うのか。
身近な水辺を楽しみながら、その環境にも目を向けてみる。そんな取り組みを続けていきたいと思います。
かつて水を飲み、泳ぎまわり、魚をとって暮らした美しく豊かな鳥屋野潟。
社会や生活スタイルの変化によって、汚染された鳥屋野潟。
インフラ整備や人々の努力によって水質や生物多様性が回復した鳥屋野潟。
いつの時代も鳥屋野潟は人の営みとともにあり、環境はそれに左右されてきました。カヤックに乗って鳥屋野潟の今を見てみると、それは今も変わっていないのだなと強く感じます。
世界では、オランダのPlasticWhaleの取り組みが、非常に楽しそうで参考になります。
U・STYLEディレクター 松浦柊太朗