きれいだったんだよ。ほんとにさ。
冊子「潟ボーイ‘s」のこと新潟市南商工振興会とU・STYLEは、かつての鳥屋野潟にあった、水辺に寄り添う豊かな暮らしを伝える冊子「潟ボーイ‘s」を毎年制作しています。
最初の発行をした2012年から、8年目を迎え、この冊子を通し鳥屋野潟の豊かさを多くの人に知ってもらえたのでは無いかと思います。
潟ボーイ‘sはそのあと潟マルシェや、とやの潟ウィンターキッチンといったエリアブランディングの取り組みに発展して行きました。そんな潟ボーイ‘sをつくり始めたきっかけのことを少し振り返ってみます。
きっかけは2011年に、鳥屋野潟のすぐ近くに住む田中さんを始めとする、昔から鳥屋野潟で泳ぎ遊んでいたかつての少年たちに話を聞いたことがきっかけでした。
かつて鳥屋野潟やその周辺が “水郷”と呼ばれていた時代。
「海とつながっていてさ、鮭やウナギも獲れたんだよ。小学校にウナ弁持っていったこともある」
「おれら河童の仲間さ。いつも鳥屋野潟で水遊びしてたからね」
「竹筒で潟から水を引いて飲み水にしていたんだよ」
身体に沁み込んだ体験は、時に人々を引き込む語り継ぎに変容していきます。
“鳥屋野潟と人の暮らしの豊かな接点を今に伝えたい”
“本当は、豊かな潟なんだよ”
そんなメッセージを込めて『潟ボーイ‘s』初版を制作しました。
発行後、思いもよらぬ反響があり、かつての潟ボーイ‘sたちは地域の小学校の授業に講師として招かれたと後日談で知ることができました。
その後も、鳥屋野潟と人の豊かな接点を生み出したくて『潟ボーイ‘s』シリーズが時にガール’s版も出しながら毎年発行の機会をいただいています。
豊かな接点を生み出す取り組みからは潟マルシェや、とやの潟ウインターキッチンが生まれ、さらに2019年には市民による鳥屋野潟の健康診断も行われるなど、環境に主体的に働いかける動きにもつながっています。
『潟ボーイ‘s』に登場したかつての少年たちに出会えたことが、現在取り組んでいる鳥屋野潟のブランディングへのきっかけを与えてくれたのは間違いありません。
この先の世代にも、潟ボーイ‘sや潟ガール‘sたちがたくさん生まれてくる様な、豊かな水辺をもつ鳥屋野潟を受け継いでいけたらと想っています。