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鳥屋野潟の水質って、じっさい大丈夫なの??

潟の健康診断2019レポート(1)

鳥屋野潟では昨年、「潟の健康診断」が行われました。潟の水や湖底の土を採取して検査し、鳥屋野潟の状態を細かく明らかにしたのです。

そこにいたるまでには、鳥屋野潟を愛し、はじめは不安を抱きながらも潟の未来のことを考え、潟の健康診断をする決断をした地域の人たちの想いがありました。そんな潟の健康診断のこと。ふりかえってみます。

□にぎわいが戻ってきた、鳥屋野潟

近年は、鳥屋野潟の周りは少しずつにぎわいが戻ってきて、潟マルシェやカヤックなど様々な楽しいシーンが生まれるようになりました。
また、とやの潟ウィンターキッチンなど、鳥屋野潟で採れた食材を楽しめる機会も少しずつ増えてきました。

潟マルシェ
カヤック体験
とやの潟ウィンターキッチン

□でも、一抹の不安が残っていました。

でも、楽しい風景がたくさん生まれるようになってきた鳥屋野潟の姿をみてとても嬉しい反面、ちょっぴりそれを心配しながら見ている人たちもいたようです。

鳥屋野潟はかつて、汚れた水がたくさん流れ込み、人の心が離れてしまった時代がありました。多くの人たちの努力で環境が改善され、環境基本法も2002年にクリアしました。

でも、そうは言ってもかつてはたくさんの魚が死んで、汚い油が漂っていた時代もある鳥屋野潟。汚れた時代を知っている人の中には、その頃の潟の姿が脳裏に浮かんでしまう人もいます。
「水質は良くなったとは聞いているけど、鳥屋野潟で採れた食材を食べて本当に大丈夫なの?」
鳥屋野潟にかかわっている人たちの中には、実はそんなことを思っている人がいたことも、事実でした。

かつて水が汚れてしまった時代の鳥屋野潟の様子

□潟の健康診断をしよう!

新潟市南商工振興会長(当時) 村尾建治さん

そんななか、新潟市南商工振興会の会長(当時)の、村尾さんが呼びかけました。
まだなんとなく不安が残る、鳥屋野潟の水質。
「実際どうなのか、はっきりさせましょう! 潟の健康診断をしましょう!」

そんな村尾会長の大号令に地域の人たちは、ザワザワザワ…
「悪い結果が出たらどうしよう…」
そんな不安をもつ人もいました。そこで、まずは勉強会を開くことに。

□「安全×信頼=安心なのです。」

勉強会にて講師をしてくださったのは、土壌環境調査・対策を行っている(株)アースクリエイトの山本勇先生。
土壌環境調査や自然生態保護に関わる分野に詳しい、土壌汚染問題のスペシャリストです。
「たとえ良くないデータだとしても、隠さずきちんと説明し、みんなで改善する様に考えて行動しましょう。それが信頼につながります。安全=安心ではなく、安全で信頼できることが、安心につながるのです。」

□未来に向けて、踏み出そう!

山本先生のお言葉が、地域の人たちの背中を押してくれました。
「どんな結果になっても、まずは受け入れて、みんなでより良い鳥屋野潟にしていこう!」
豊かな鳥屋野潟を未来に引き継ぐために地域の人たちは決心し、鳥屋野潟の健康診断を行うことになりました。
山本先生は、地域の大人たちに改めて大切なことを教えてくれたのです。

さて、そうして行われることになった潟の健康診断。
果たして結果はどうなったのでしょうか。 (次回につづく!