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鳥屋野潟の水質、みんなで確かめました!

潟の健康診断2019レポート(2)

当初の不安を乗り越え、行われることになった潟の健康診断(前回記事はこちら)。2019年8月21日、フジタJVの方々のご協力のもと、湖水と湖底のサンプル採取が行われました。調査概要について、詳しくは下の画像をクリックしてみてください↓

調査概要   (画像クリックでPDFファイルが開きます。)
画像引用元 : 新潟市南商工振興会「潟ボーイ’s 2019 健康診断編」2020年3月発行

調査の指揮をとってくださったのは、(株)フジタの島多義彦さん。環境技術の調査や研究開発に長年携わってきた、水環境のプロフェッショナルです。
当日は、とても広い鳥屋野潟を3つの地点に分けて、湖底の泥と湖水を採取しました。新潟市南商工振興会の会長(当時)の村尾さんをはじめ、漁協の方、市役所の方、山潟中学校の科学部の生徒さんたちや地域教育コーディネーターの方など、鳥屋野潟にかかわっている様々な人たちが同行し、調査の様子を見守りました。

調査の様子を見守りにあつまった、地域のメンバーたち
みんなでサンプル採取地点に出発!
サンプル採取の様子。
丁寧にサンプルを採取します。
みんなで調査の様子を見守りました。
調査の指揮をとってくださった(株)フジタの島多義彦さん
採取した湖水のサンプル。
採取した底質のサンプル。 真っ黒ですね。

結果の公表は後日。さて、結果はどうだったのでしょうか。

□鳥屋野潟は、安全だった!

調査の結果、全90項目のうち、87項目で環境基準をクリア!水質について「人の健康の保護」および「水生生物の保全」の視点から有害な項目は、すべて環境基準をクリアすることができ、鳥屋野潟が安全であることが分かりました!
また底質も、重金属類、農薬類、ダイオキシン類について、判定基準をクリアしただけでなく、さらに10倍以上厳しい土壌環境基準をオーバーした項目もありませんでした。
一方、人の生活環境としての鳥屋野潟の状態を示す、水質の「生活環境の保全」に関する項目ついても概ね基準をクリアしていたものの、浮遊物質量、化学的酸素要求量、全リンの3項目で基準値を超えていました。
詳細は下記のファイルをご覧ください(画像クリックでPDFが開きます。)↓

調査結果(画像クリックでPDFが開きます。)
画像引用元 : 新潟市南商工振興会「潟ボーイ’s 2019 健康診断編」2020年3月発行

□レクリエーション(水浴・水泳)の適性

COD,糞便性大腸菌数については、水浴場水質判定基準の水質C(水浴可,国際水泳連盟の定める水泳(マラソンスイミング)やカヌー競技会場の水質基準と同等)に該当する結果でしたが、透明度については基準値を若干超過してしまいました。

□まずは一安心。でも、泳いで遊ぶにはあと一歩!

今回の鳥屋野潟健康診断により、人の健康や水辺の生き物の保全に悪影響を与える有害物質については、水質・底質ともにすべて基準値を下回り、鳥屋野潟が安全であることが分かりました。
一方、生活環境やレクリエイション(水浴・水泳)の場としては、まだ課題があることも分かりました。
ちなみに、不合格になった水質項目の主な要因は、潟の水深が浅く、風波で水中に巻き上げられた底泥が原因と考えられるとのこと。さらに、巻き上げられた泥が中流・下流へと流されるため、下流では基準値オーバーしやすくなっている可能性があるそうです。
これからの鳥屋野潟がさらに、そして持続的に安全で安心できる潟になっていくために、どんなことをしていけば良いんだろう? 地域のみんなで、話し合いを行いました。(次回につづく!

(おまけ)鳥屋野潟、実はこんな魚もいました!

今回の潟の健康診断では、環境DNA調査も行いました。これは、水中に含まれる生物の排泄物や細胞、死骸などのDNAから、どんな生き物がいるかを調べられる新しい技術です。その結果、生息が推測される魚類16種(ブリを除く)確認され、それらのうち、過去の生物調査で確認されたものは12種含まれていました。また、準絶滅危惧種など4種の希少種の生息が確認されました。さて、どんな魚がいたのでしょうか。気になる方は、下の画像をクリックしてみてください画像クリックでPDFが開きます。)↓

環境DNA調査からわかった鳥屋野潟魚図鑑(画像クリックでPDFがひらきます。)
画像引用元 : 新潟市南商工振興会「潟ボーイ’s 2019 健康診断編」2020年3月発行